自分に合った美肌効果のある漢方薬を見つけるチェックリスト繰り返す肌トラブルに悩んでいるならぜひ試してもらいたいのが漢方薬です。

肌トラブルを繰り返す理由は、自分の身体の体内に問題があるからです。そのため化粧品などの外からのアプローチだけでは完全な回復にはつながりにくいのです。漢方薬ならば体の中から不調を改善して美肌に近づけます。

自分の今の体質に合った漢方薬は何のか、チェックリストをもとに漢方薬を探してみましょう。ニキビに使用される主な漢方薬の一覧も用意しました。

体の中にある原因を治して美肌にするのが漢方薬

肌のトラブルは、塗り薬や化粧品で治すものと考えている方が多いようですが、それは一時的な治療のみです。たしかに塗り薬や化粧品で改善する肌トラブルもありますが、実は大人ニキビなどは、塗り薬だけで治すのはなかなか難しいのです。理由は原因が体の中にあるからです。化粧品や塗り薬で肌表面はキレイになっても、体の中の不調が直っていなければ、直ぐに肌トラブルを繰り返してしまいます。

特にニキビの場合、ホルモンのバランスが乱れることが原因です。生活習慣を改めるなどして、体全身の状態を見直していかなければ、完全に治ったとは言えないのです。このように体の不調は顔の肌に現れます。そのため「肌は内臓を映す鏡」と言われる所以なのです。

内臓の不調は化粧品や塗り薬ではどうにもできません。体の中から改善してくれる漢方薬を摂り入れるのがオススメなのです。そして回復を早めるためのサポートとして化粧品を使うようにすると美しい肌を早くずっと維持することができるでしょう。

「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスで肌トラブルを防ぎ美肌にする東洋医学

東洋医学では、人体は「気(体内エネルギー)」「血(体に栄養分を配る)」「水(体液全体をさす概念)」の3つの要素で成り立っていると考えられています。この3つのバランスが整えば健康的な体でいられると東洋医学では考えられているのです。

自分に合った美肌効果のある漢方薬を見つけるチェックリスト

それぞれの要素が足りなかったり、過剰だったり、滞ったりすると体に不調が現れたりするのです。またそのバランスから、自分の体がなりやすい癖ともいえる自分の体質を見極め、根本から改善しようとするのが漢方薬の基本的な考え方なのです。

漢方薬は一般的に効きが遅いと言われることも多いのですが、効果が早く出るのもありますし、病院での処方なら保険も効きます。漢方を希望する人は医師に相談したり、漢方で有名な病院を探して受診するといいでしょう。

「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスを調べてあなたの体質を知るチェックリスト

東洋医学では、普段の身体の状態やちょっとした不調から、気・血・水のバランスの偏りをチェックし、体質を5つのタイプに分類して治療してゆきます。あなたはどのタイプでしょうか?以下のチェックリストで自分に当てはまるものをチェックしましょう。

TYPE1ききょ
気虚
  • 疲れやすく、だるい
  • 風邪を引きやすい
  • 胃下垂または子宮下垂(女性の場合)である
  • 胃腸が弱く下痢しやすい。または便秘をしても苦しくない
  • 食欲がない。または食後すぐ眠くなる
  • 皮膚や筋肉がたるみがちだ
TYPE2きたい
気滞
  • 冷え性またはのぼせがち
  • お腹がはった感じがする。ゲップやおならがよく出る
  • 不眠がちで、明け方目が覚める
  • ゆううつで、頭が重い
  • のどに何か詰まっている感じがする
  • 生理前のむくみ、イライラ、落ち込みが強い(女性の場合)
TYPE3けっきょ
血虚
  • 疲れやすく、だるい
  • 眠りが浅く、よく夢を見る
  • 目まいや立ちくらみが起こる
  • 髪が抜ける、パサつく、コシがない
  • 肌が乾燥する。爪が割れやすい
  • 生理の経血量が少なくなった(女性の場合)
TYPE4おけつ
淤血
  • 足に静脈瘤がある
  • 慢性的な肩こりや頭痛がある
  • 舌に紫色の斑点がある
  • アザやシミがなりやすく、治りにくい
  • 目の下にクマがある
  • 生理通があり、経血量が多い(女性の場合)
TYPE5すいどく
水毒
  • 舌先の縁に歯のあとがあり、デコボコしている(歯痕の跡)
  • めまい、頭痛、耳鳴りが起こりやすい
  • 関節(とくにひざ)が痛む
  • 乗り物酔いしやすい
  • 鼻水やたんがよく出る
  • 手足や顔がむくみやすい

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体質別で勧める美肌になる漢方薬一覧

漢方薬には、とくに病名がないような体や肌のトラブルを治せるというメリットがあります。つまり「なんとなく肌や体調が変」という場合でも、あなたの体質に基づいて選んだ漢方薬なら改善されるのが漢方のメリットとも言えるでしょう。最近では顆粒タイプの漢方も多く、飲みやすいものが増えていますが、苦みがあります。以下の5つの体質にそれぞれに合った漢方薬を紹介します。

TYPE1美肌になる漢方薬
気虚タイプにオススメの漢方薬
気虚は気が不足した状態と東洋医学ではみなしています。気は食事や休息で生産され、心身の活動で気は消費されますが、生産より消費が多くなった時に気虚になります。また食事の消化が悪い事でも気虚になります。 

<効果的な漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・六君子湯(りっくんしとう)
・五苓散(ごれいさん)
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
・清暑益気湯(せいしょえききとう)
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)

 

TYPE2美肌になる漢方薬
気滞タイプにオススメの漢方薬
気の流れが滞っているために、エネルギーが全身に行きわたらなくなった状態と東洋医学ではみなしています。原因としてはストレスや生活リズムの乱れなどが考えられています。

<効果的な漢方薬>
・香蘇散(こうそさん)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・大承気湯(だいしょうきとう)
・通導散(つうどうさん)

 

TYPE3美肌になる漢方薬
血虚タイプにオススメの漢方薬
血が不足した状態であると東洋医学ではみなしています。特に女性は、生理・妊娠・出産・授乳のために血が大量に失われるので男性よりも血虚になりやすい傾向があります。

<効果的な漢方薬>
・十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
・四物湯(しもつとう)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・温経湯(うんけいとう)

 

TYPE4美肌になる漢方薬
淤血タイプにオススメの漢方薬
血の流れが滞った状態と東洋医学ではみなされています。無理なダイエットをしたり、冷たいものの過剰摂取による冷え、喫煙、ストレス、下着の締め付けなどが原因で引き起こされます。

<効果的な漢方薬>
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・温経湯(うんけいとう)

 

TYPE5美肌になる漢方薬
水毒タイプにオススメの漢方薬
この水は、リンパ液や消化液、唾液、汗などの血液以外の水分のことを指しています。体の中に余分な水分が溜まった状態が水毒で、体の弱い部分に水毒のトラブルが出やすくなります。

<効果的な漢方薬>
・真武湯(しんぶとう)
・五苓散(ごれいさん)
・苓姜朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

ニキビに効く漢方薬一覧

繰り返しできるニキビに悩む人や、ニキビがずっと治らずに悩んでいる人は、漢方薬などで体質を改善していく方が良いでしょう。以下にニキビ治療で処方される主な漢方薬を紹介します。

DOCTOR
 ニキビ治療の場合、医師はアクネ菌の増殖を抑える抗生物質、ビタミン剤、漢方薬などを組み合わせて使うのが普通です。 
主な原因特徴効果的な漢方薬
ホルモンバランスの悪化 体力がなく、冷え性や貧血の傾向がある人には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、肩こりや便秘がある人には加味逍遥散(かみしょうようさん)などが一般的に処方されます。のぼせや足の冷えがある人には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが向いているでしょう。・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
・温経湯(うんけいとう)
など
胃腸のトラブル 便秘や消化不良のほか、下痢などが起きているタイプです。四君子湯(しくんしよう)は、痩せ型で顔色が悪く、胃もたれし易い人に処方されます。胃痛や腹痛がある人には安中散(あんちゅうさん)が向いており、吐き気や嘔吐がある人には半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)が合っているでしょう。・四君子湯(しくんしよう)
・六君子湯(りっくんしとう)
・安中散(あんちゅうさん)
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
など
ストレス 気の乱れが影響している場合に起こるのがストレスです。気分がふさぎ、のどや食道の異物感、動悸やめまいがある人には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が処方されます。また体が弱く、疲れやすい人には抑肝散(よくかんさん)や桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)が一般的に処方されるでしょう。・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・抑肝散(よくかんさん)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
など
炎症悪化 オイリー肌で、顔全体に赤く炎症の強いニキビがある人には清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)が処方されます。また皮膚や粘膜が弱い人には荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)が処方され、大きな背中ニキビがある人には十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)がよく処方されます。・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
など

現在病院でニキビの漢方薬を処方されているのであれば、あなたが処方されている漢方薬はリストにあるでしょうか?それは医師があなたの体質に合わせて選択した漢方薬ですが、自分の体質に合っていますか?表の「主な原因」や「特徴」から自分に合っているようなら、継続して摂取しましょう。

もしこれから漢方薬を処方してもらう予定ならば、自分の健康状態をきっちり把握して、医師にその状況を伝えましょう。それらの健康状態から判断して医師が上記で紹介した漢方薬を処方するでしょう。

DOCTOR
 最適な漢方薬に早く巡り遭うには、詳しく自分の健康状態を医師に伝えることが重要です。病院を訪れる前に上記を参考に、よく健康状態を把握して訪れましょう。 

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美肌男教室運営チーム運営メンバー
男の美容に関わる情報をいちはやく取り入れ適切なケア方法や、ケアアイテムを選定しています。2017年度より業務拡大し男女共用アイテムの取扱いも開始し、専門家や研究チームによる検証実験を実行しています。